La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Muguet du Bonheur(1952)

フランスのグラン・パルファン、キャロンの1952年発売後今もなお
愛されているすずらんのシングルノート、ミュゲ・ド・ボヌール
(幸福のすずらん)です。

すずらんは、天然香料が採れないため、すずらんの合成香料を使うか、
幾つもの天然香料を調香してすずらんの香りを再現するのですが、
このミュゲ・ド・ボヌールは、昔のコティ(ミュゲ・ド・ボワ)、
ゲラン(ミュゲ)と並び、すずらんの香りをヘリオトロープ
ライラックで際立たせた、天然香料で再現している数少ない香りです。

パルファムは、まろやかで優しいグリーンフローラル、オードパルファムは
しっかりとグリーンも甘みもあるメリハリの利いた香り立ち、オードトワレ
はほのかな爽やかさが香ります。

ミュゲドボヌールは、ことのほかヴィンテージの香りがよく、
現行品でも美しいとは思いますが、若干の香り痩せは否めない一方で
状態の良いヴィンテージのトワレなどは、思わず立ち止まってしまう
ほど甘さとさわやかさのバランスがよく、単なるライトなシングル・
フローラルに終わらない構成のすばらしさを感じます。もし可能なら、
30年ほど前のヴィンテージならば何とか探せると思いますので、
一度ヴィンテージをお試し下さい。
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