La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Apres L'Ondee(1904)

日本では、ゲランブティック(すべて都内)でしか取り扱いのない、
ジャック・ゲラン調香の名香、アプレロンデの(オーデトワレ)です。
現在では本国ゲランでも原料の都合からか、オーデトワレしか販売されて
おりません。海外のゲランでも販売国が限られている、レアな香りです。

「にわか雨の後」という名を持つこの香りは、つけた瞬間はスッとした
渋さと甘酸っぱさで香り、やがて全身をごく薄いベールが包むかのように
淡くアイリスやスミレが香る、非常に静やかな名香です。また、ミドル〜
ラストの展開が、ルールブルーに似ているため、「ルールブルーのライト
バージョン」とも称されますので、ルールブルーのお好きな方にも絶対
オススメです。汗ばむ季節でもくどくならず涼しげに香ります。

ちなみに、昨年復興して香水界で話題となった、イギリス最古級の香水
メーカー、グロスミス(Grossmith London)が1906年に発売し、ロジャ・ダヴ
監修の元、仏ロベルテ社に復刻を依頼したシェメルネッシム(Shem-el-nessim)の
復刻版が、まさに濃厚なアプレロンデの風情で、公式にもロリガンやアプレロンデ
に雰囲気が似ていると紹介されているので、アプレロンデのパルファムは
こんな感じだったのかな、と夢を馳せました。

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