La Parfumerie Tanu

- The Olfactory Amphitheatre -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -

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Arpege(1927)

シャネルNo.5と並び、世界屈指の名香のひとつで、ランバンの創始者
ジャンヌ・ランバンが1927年、彼女が60歳の時、一人娘の30歳の誕生日へと、
若干27歳の調香師、アンドレ・フレースに作らせた香りです。
ヴィンテージのパルファム、オードアルページュ(アルページュのオードトワレ版)、
1987年より加わったリニューアル版のオードパルファムです。

最高級のローズ、ジャスミンをふんだんに使用し、アルデヒドを効果的に利かせている
点では、使用している原料はNo.5と同じといわれますが、面立ちは全く違い、5番が前を向く
端正な美しさなら、アルページュは覗き込むような慈しみ深い優しさを感じます。コンセプト
からも伝わるように、母性を髣髴とさせる、優しくふくよかな香りです。
ヴィンテージのパルファムは「これぞ名香」といった、ひと言でいえば「華」のある香りで、
肌に乗せるとパウダリックなオリスが表面に強く現れ、比較的持続が短いですが、
コットンに含ませて胸元からの香気を味わう方が、長く、よりクラシックな香り立ちを
バランスよく楽しめるのでお奨めです。
オードアルページュはパルファムやEDPと比べ、清涼感が強く甘さが控えめです。
現行のオーデパルファムは、どこかとろけるようなクリーミー感があり、持続が長く
天候や体温で割合表情を豊かに変えるタイプです。リニューアル前後でつけ比べも楽しいですね。

日本ではエクラ・ド・アルページュとの交代で廃盤になってしまったようですが、
海外では今もなお第一線の現行商品で、アメリカなどの香水サイトでは、
アルデヒドの名香ベスト10にも必ず入っています。

アルデヒドのお好きな方は是非!
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