立ち上がり：さわやかな感じです。ベチバー感はあまりない。シトラス系です。すぐ甘い香りが強まります
昼：ベチバーの香りが出てきましたかなり上品な香りですね。香りの持続性は弱い感じがします
15時位：微かな香りになってきています。夏向けな香りですが夏の汗に対抗するのは厳しそう。今位の季節が一番良いのか。
夕方：上品なベチバー香りが少々甘めにほんのうっすらと・・・・まあ私には品が良すぎるかな。と。
ポラロイドに映ったのは：一見、夏でも白いジャケットなんか着てすましてるんだが背中は滝汗状態。でもやせ我慢して半袖シャツとか短パンとか絶対着ないおじさん。ブライアンフェリー状態だ（祝来日）
Tanu's Tip :
テール・デルメスは「エルメスの大地」の名前に恥じないスケールの大きさでヒットした、21世紀のエルメスを代表する大ヒット作です。国内の公式表記はテール ドゥ エルメスになります。2006年、オードトワレ1種のスタートでしたが、濃度違いとして3年後の2009年にパルファムが発売されました。今回ご紹介するのは、このパルファムの方です。発売から12年、ドジョウも毎年出ていますが、正確には中身は同じでその年の限定コレクターズボトルである物が殆ど(例:写真下は2016年版パルファム限定ボトル)です。香り違いとしてのドジョウは、オー・トレ・フレーシュ(2014)と本年「ベチバーましまし版」として現在の専属調香師であるクリスティーヌ・ナジェルが手掛けたテール・デルメス・オー・アンタンス・ベチバーの2種だけ、と見た方がよさそうです。
調香はもちろん当時の専属調香師、ジャンクロード・エレナで、この当時のメンズフレグランスにしては珍しかったパルファム濃度が登場したのも話題になりました。現在パルファムの国内販売はなく、オードトワレ(50ml11,340円、100ml15,120円、125mlリフィル14,580円：2018年9月現在)とさらにライトなオー・トレ・フレーシュの2展開です、羽田や成田の免税店では大概置いているので、気になった方は渡航の際に要チェックしてください。価格としてはディスカウンターでも1万円を切らないのは決してアフォーダブルではないですが、パルファム濃度75mlで1万2千円以下、という点で軍配をあげました。
香りとしては、ひと言でいって「甘口グレープフルーツベチバー」。良い意味で何人にも使いやすく、ペッパーの辛味がアクセント。ベースにベンゾインがあるのでしっとりとした甘さもありますので、サッパリ重視で単なる酸味がちのキリキリベチバー、という顛末に陥りません。テール・デルメスのベチバーも、ゲランのベチバー・エクストリームと同じく前座が一通り場を温めてから登場しますが、俺が俺がと主張せず、他の香料とのバランスも良く、何より上品です。ポラロイドにはやせ我慢のダンディが映ってしまいましたが、滝の汗かは別としても、確かに肌の露出は少なめの知的で品の良い殿方、という印象は受けました。
ところでテール・デルメスのパルファムを初めて嗅いだのは成田の免税店だったと思いますが、EDTとの差がよくわかりませんでした。持続の違いだけではないかと思う上、このパルファム自体ジェントルマンが実装しても大して長持ちしなかったので、EDTならディスカウンターで100mlのテスターが7,000円程度、本製品でも8,000円程度で入手できるので、パルファムを紹介しておいてなんですが、香りの持続を美徳としない日本で使うなら、どうせ長持ちしないなら安くて量の多いEDTで充分だと思います。
