La Parfumerie Tanu

- an Imaginary Haute Parfumerie living in your Heart -

- The Essential Guide to Classic and Modern Classic Perfumes -


Encre Noire (2006)

A Gentleman takes Polaroids chapter ten : Black Gentleman
 
立ち上がり:ベチバー&微妙に柑橘系の香りですが甘さが無くていい感じ。これはいい気分になります。
 
昼:印象変わらず いい感じで落ち着いてきてます
 
15時位:最初の印象とほとんど変わらない香りなのも珍しい 消えてはいませんが大分微かになってきました
 
夕方:微光ですが最初の良い印象のままです。これは常用できますね。
 
ポラロイドに映ったのは:スーツを着る仕事をしていてたらこうなっていたであろう自分(50近くでもジーンズにTシャツで仕事いってるんで・・・)

 

 
f:id:Tanu_LPT:20170414204737j:image
アンクル・ノワール EDT100ml この他レディスやアンタンス、スポーツ版もあるが話題の逸品はこのオリジナル版
 
Tanu's Tip :
 
春爛漫、百花繚乱の4月は、陽射しの強さが増してくる一方で、光に晒された物体が落とすその影も濃く、深くなる時期でもあります。輝く光が眩しければ眩しいほど影は黒く、黒く…。世の中、眩しい光を浴びて輝いている人ばかりではありません。輝く人が落とす真っ暗な影にすっぽり包まれて、その姿すら見えない人が大勢いて、残念ながらこの世界は均衡が取れているのだ…。今月は、そんな斜めな事ばかり考えているかもしれない我らがジェントルマンが選ぶ、名前に「黒」を冠した逸品3点を「黒いジェントルマン」としてご紹介します。   
 
ラリックは、その後の限定ボトルの中身として延々と売り繋がれていますが、果たしてそれは中身欲しさではなく、香水瓶が欲しくて買うお客がほとんどと言っても過言ではないと思いますし、創業より25年間に発売された香りも、大概は「瓶は一流、中身は二流」的扱いで、私自身、ずっしり重く美しいフォルムの瓶からスプレィして「う、…」と消沈し、右から左に手放した事が幾度もありましたが、そんなラリックのフレグランス中、最も異彩を放ち、かつ評価が高かったのがこのメンズ・フレグランス、アンクル・ノワールではないでしょうか。上記の通り、ジェントルマンも大絶賛で、昨年ご紹介したアンテウスに続き、レビュー終了後めでたく彼の私物に昇格しました。そして、ポラロイドには「別の人生を歩んでいたら、この香りをつけた自分がそこに居た」転職のコマーシャルみたいなカットが写りました。まあ、いつもヨレヨレのロックTシャツにジーンズで毎日頑張る働き盛り後半のジェントルマンにだって、とてもお似合いですけどね。
 
資生堂のZEN(第2世代)やディータ・フォン・ティースなどアフォーダブル系の秀作も多い、メジャー系の大御所ナタリー・ローソンが手がけた「黒インク」の名を持つこの極めて淡麗辛口な香りは、発売から10余年経った今でも全く古さを感じさせず、むしろ「この香りが古臭く感じるのは、いつだろう」と思うほど時間に支配されていません。基本的にはビターなベルガモット系のバーストに始まる、ベチバーとサイプレス過積載&日本人には懐かしい「硯ですった墨の香り」のシンプルな構成で、お情け程度にベースのムスクがありますが、周りの人には肌の上の甘さまで届かないと思います。
 
メンズフレグランスって、案外ベースが甘重いから苦手でつけられない、という日本人男性が多く、そこを巧く回避した香りで経験値を上げ、じわじわと守備範囲を拡げているジェントルマンのようなポテンシャルの高い男性は少なからずここ日本にも居ると思うので、フレグランス初心者の男性がそばにいたら、ここはひとつシトラス系なら安心、柑橘系なら嫌いな人いないと無難にアドバイスせず、こういうドライで脇の下に涼風の吹くような、それでいて樹木の静謐な雄々しさもある、アンクル・ノワールのような香りを「これ、いいね」と言えるくらいには、周りの方が責任を持って育ててあげて欲しいです。

ちなみに、日本ではこちらが公式オンラインストアのようですが、本業は食器やクリスタルガラスの輸入代理店なので、フレグランスの総代理店も同じ会社かどうかは勉強不足でわかりません。ラリックのフレグランスは並行輸入品でアフォーダブルにガンガン入ってきています。

shop.gk-japan.com

 
 
f:id:Tanu_LPT:20170414204749j:image
10年前から昨今のメゾンフレグランス的ボトルの先をいっていたアンクル・ノワール 蓋は天然木

LPT Scent of the Month : April 2017

f:id:Tanu_LPT:20170405223733j:image

2017年1月より毎月1本、店主タヌが選ぶおすすめの香りを、キャバレーLPTでお馴染みの図鑑図書館、Book cafe bar Fumikuraの店頭にてディスプレィしていただいております。サンプルムエットによる持ち帰りOKの試香スタイルが好評で、実際店主タヌ来店の際、目の前でムエットをお持ち帰りになる方と遭遇する場面も多々ありました。香りの解説はQRコードにて当LPTブログへ。スマホでブログの解説を読みながらムエットを試香し、美味しいお飲み物の合間に「えええ~香りや~~~」と恍惚のひと時をお過ごしください。

春爛漫の第4回は、期待も不安も膨らむ4月にふさわしく、LPTではお馴染みの、そして今月いよいよスタッフ来日、キャバレーLPT共同開催のピュアディスタンスから、ブランドのベストセラーであるホワイトをご紹介。今年で10周年を迎えるピュアディスタンスが2015年に発売してから、爆発的に売れているこのホワイトのコンセプトは「つけた瞬間、幸せを感じる香り」。世の中、ネガティヴな事ばかり起きる。だったらせめて、この香りに包まれている時くらい、幸福感に浸ってほしい、というヤン・エワルト・フォス社長の熱い思いで生まれたホワイトは、ローズムスクにサンダルウッドやアイリスといった、極めて王道の美的フローラルムスクですが、何かが違う。それは賦香率38%の圧倒的な濃度、そして作り手であるブランドの想いです。実際ヨーロッパでは、そのイメージカラーからブライダルに用いられることが多く、花嫁さんがウェディングフレグランスに選び、出席した女性のお友達がホワイトの香りにノックアウトされて我先にと次々に買っていくとか。実際、出荷してもしても店頭の棚が空っぽになる程売れ行き爆裂な取引店もあるそうで、この即身成仏的パワーを是非店頭のムエットで体感してください!!

詳細は、下記リンク(Fumikuraウェブサイト)およびLPTでの紹介記事をどうぞ。都内近郊にお住まいの方、LPTの魅力を直に感じていただける月替わり常設企画を、大人の図鑑図書館・Fumikuraにお運びの上、おいしいお飲み物やお食事、素敵な蔵書と共にお楽しみください。

今月の香り no.04「ピュアディスタンス ホワイト」 - fumikura

 

 

Moustache (1949)

立ち上がり:なんか酢のような酸っぱい匂いがするんですが。もしかして劣化してる?ベルガモットの香りがその後を追うように香ってきます
 
昼:酸っぱい匂いなくなりようやくまともな香水の香りだ。ローズ系の香りが強まってきています。
 
15時位:バニラっぽい香りに変わってきた。時間を経るごとにどんどん香りが変貌してきます。
 
夕方:最後の方はムスクっぽい。HABIT ROUGE程ではないけど今回の3本は私ごときで対抗できる香りではないな・・・負けそう・・
 
ポラロイドに映ったのは:軽い気持ちで昼飯食べようと思い入ったら客がほぼ全員女!あまつさえ量も少ない「プレート」なるしゃらくせえ名前の飯を食わせる店に入ってしまった時の敗北感。
 f:id:Tanu_LPT:20170324225954j:image
Tanu's Tip : 
 
ムスタッシュは「ムッシュ、ムッシュ、ジェントルマン」の回でもご紹介した、ロシャス初のメンズフレグランスで、調香はロシャスにおいてはファムを作り同社の成長に大いなる貢献をしたエドモン・ルドニツカとその妻、テレーズ・ルドニツカの共作で、とうの昔に廃番ですが、販売当時は結構売れたのか、現在でも箱のてっぺんが日焼けして退色した、バーコード印刷のない(≒80年代後半までの流通品)スーパーデッドストックが時折亡霊のように海外香水ディスカウンターの販売リストに登場しています。著名人が手掛けた名香ならば、箱が日焼けしていても新品なら手に入れたいのが人情というもの、新品だから、新品なんだから…と入手したものの、グレーの部分がペパーミントグリーンに変色した、その箱の焼けっぷりにビビりながらも、ジェントルマンは果敢にレビューを決行。ファーストコンタクトで「す、酸っぱい…」とひるみながらも、きちんと経時変化を記録してくれました。
 f:id:Tanu_LPT:20170324230014j:image
この酸っぱいのは、レモンとレモンバーベナがベルガモットと共にガツンと立ち上がってくるためで、通常ヴィンテージだとこのシトラス部分がやけて飛んでいる事が多いのですが、さすがディスカウンターとはいえ新品扱いの強気で販売しているだけあって、酸っぱいのは劣化だけではなく、ムスタッシュのトップノートの個性だと思われます。ジェントルマンが酸敗臭と勘違いしたトップノートが過ぎ去ると、ローズ・ジャスミン・カーネーションといった王道フローラルノートが顔を出し、その後バニラの幕、ムスクの幕…とパウダリーに変化するという、クラシック香水の序破急がはっきりとしたノート展開があります。個人的に、ルドニツカ作のシトラスアロマティックシプレ系(オーソバージュ、ディオレラなど)が少々苦手で、というのもどこかに生肉のような生臭さを微かに感じるからなのですが、このムスタッシュも気持ちなんとなく生臭い。それにレモンバーベナやラベンダー、プチグレンなどのハーバルなアロマが酸っぱすぎ。この香りで、どの部分が「ムスタッシュ(ヒゲ)」なのか、少々首をひねりたくなりますが、ユニセックスフレグランスの先駆のようにも語られるムスタッシュ、確かに女性がつけても鼻の下にヒゲが生えることもなくパートナーとシェアしていただけます。ポラロイドに映ったのが、いかにも女性好みなシャレオツ系のランチもやってるカフェというのもわかる気がしますが、食堂の三悪は「高い、(料理が出てくるのが)遅い、少ない」だと常々思っている店主タヌとジェントルマンは、小鳥のエサ程度なプレートランチを提供し、小1枚でお釣りの来ないようなカフェランチは、食堂の三悪(Axis of dining evil)に抵触すると考えています。最近はどこのカフェもまあまあ盛りが良くなってきましたけどね。
f:id:Tanu_LPT:20170324230028j:image